ドクターズインタビュー
穐吉 真(あきよし まこと)

整形外科・部長
H3 山形大学医学部 卒
―― 千葉白井病院「整形外科」にはどのようなご相談が多いですか?
約8割の方が腰痛や膝痛、肩痛といったどこかしらの「痛み」を訴えてご相談にいらっしゃいます。また当院は二次救急医療機関として、救急搬送された患者さんの骨折・ケガの治療も行っています。患者さんの年齢層も幅広く、若い方も多いですね。
痛みは患者さんご本人しか本当のつらさが分からず、他人に共有しづらい悩みだと思います。同じ疾患が原因でも痛みの感じ方は千差万別であり、表現の仕方も人それぞれです。一人ひとりの患者さんの訴えに対して真摯に向き合うことが治療のスタートだと考えています。

―― 先生が診療を行う上で大切にしているモットーを教えてください。
患者さんが納得して治療を選択できるように、丁寧に説明することを心がけています。整形外科の治療は、1つの疾患に対して治療法が1つではありません。内服による治療で効果がみられる場合もあれば、手術が選択肢に入る場合もありますし、リハビリが有効な場合もあります。また「できれば手術はしたくない」「とにかく早く痛みをとりたい」「旅行に行けるようになりたい」など、患者さんによってご要望は異なりますからニーズに合わせて治療法をご提案しています。
治療の選択肢が広いぶん、患者さんも迷うことや疑問に思うことが出てくると思いますが、最終的に治療法を決めるのは、医師ではなく患者さんご本人です。私は治療法のメリット・デメリットをしっかり説明し、患者さんご自身に納得して治療を選択いただくことが治療を行う上で何よりも大切だと考えています。治療について疑問点があれば納得できるまでご質問いただきたいと思います。これまでの経験や最新の知見、患者さんのニーズに合わせてアドバイスさせていただきます。

―― 先生が特に得意とする領域について教えてください。
変形性関節症の治療を得意としています。変形性関節症に特になりやすいのが膝関節と股関節です。この疾患は、関節の間にある軟骨が擦り減ってしまい、関節が滑らかに動かなくなり、炎症を起こす疾患です。動作時の痛みや関節の腫れ、水が溜まるなどの症状でご相談いただくことが多いですね。
変形性関節症の有病率は加齢に伴い増加するため、高齢化社会の進行とともに変形性関節症に悩む患者さんは増加すると予想されています。最初は我慢できるくらいの痛みですが、症状が進行すると日常生活に支障をきたすほど重症化する場合もあります。早期であれば予防もできますし、治療の選択肢も多くなりますので、違和感を感じたら早めにご相談いただきたいと思います。