ドクターズインタビュー
中山 美数(なかやま よしかず)

整形外科/脊椎・脊髄病センター長
H11 防衛医科大学校 卒
―― どのような症状の時に「脊椎専門外来」を受診したらよいでしょうか。
首や腰の痛み、手足のしびれなどの症状でお悩みの方にご相談いただいています。これらの症状は、頚椎や腰椎の疾患が原因となって神経が圧迫されることで引き起こされる症状です。頚椎、腰椎の病気を指摘され、治療を継続しているにも関わらず、なかなか症状が改善しない場合や痛みやしびれで日常生活が困難になっている場合、脊椎の手術をお考えの場合などは、ぜひご相談いただきたいと思います。白井市周辺の地域には脊椎脊髄病の専門医が少ないため、近隣の医療機関から当院へ患者さんをご紹介いただくことも増えてきました。

―― 他科との連携についてお聞かせください。
当院には整形外科、ペインクリニック内科など複数科があり、鍼灸やリハビリテーションも行っていますので、脊椎・脊髄病以外の疾患が原因と考えられる場合や手術以外の治療法を選択する場合も柔軟に対応することが可能です。また骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折の患者さんに対して経皮的椎体形成術(BKP)を行うことがありますが、手術によって骨折を治すことはできますが、骨粗鬆症自体を治療しないとまた別の部分が骨折してしまい、手術を繰り返すことになってしまいます。骨折の再発予防のためにも骨粗鬆症の内科的治療が非常に重要になりますので、他科と連携しながら治療を進めていきます。
―― 先生が診療を行う上で大切にしているモットーを教えてください。
患者さんの多くは手術を検討されていますので、患者さん一人ひとりのライフスタイルや生活の質、再発しやすい傾向を分析し、多種多様な手術法のどれが適しているのか、患者さんとしっかり話し合いを重ねた上で治療を提供することを心がけています。当院では脊椎内視鏡を駆使した低侵襲手術を積極的に行っていますが、手術方法が複数ある場合もありますので、それぞれのメリット・デメリット、術後の経過などをしっかりお話しさせていただくようにしています。また、手術を行っても再発のリスクが高い方もいらっしゃいますので、手術前から再発予防についてもご説明しています。例えば、椎間板ヘルニアは、喫煙による再発リスクが高いことが分かっており、禁煙治療をお勧めすることもあります。
脊椎・脊髄病センターを開設して3年が経ち、ありがたいことに以前手術させていただいた患者さんの口コミやご紹介でご相談いただくことも増えてきました。外来でお待たせすることもあって申し訳ないのですが、今後も一人ひとりの患者さんに対して丁寧に対応し、満足度の高い治療をご提供したいと思います。