担当医より
胃カメラをより楽に受けていただき、病気の早期発見を目指します
胃カメラはつらい検査という認識があると思われますが、近年の内視鏡機器の進歩により、経鼻内視鏡用の細い胃カメラも画質や操作性が向上しています。
それにより、比較的楽に、なおかつ数年前の内視鏡検査の質以上の水準で受けることができます。
楽で良質な検査を提供することにより、患者さんが抵抗なく検査を受けることにより、病気の早期発見につながります。
消化器内科 吉村 昇
経口内視鏡検査(鎮静下内視鏡検査)のご案内
口から入れる胃カメラです。
こんな患者さんにおすすめ
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胃の症状(胃の痛み、胸やけなど)が気になり、検査を受けてみたいが、胃カメラ、鼻からの胃カメラも、恐怖心や抵抗感がある。眠った状態で検査を受けてみたい。
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以前に口からの胃カメラを受けたことがあるが、『オエッ』となって検査の間じゅう辛かった。できれば受けたくないが、検査を勧められているので楽に受けたい。
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比較的楽だと言われて鼻からの胃カメラも受けたが、それでも『ゲーゲー』してしまい、つらかった。
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鼻の中が狭く、カメラが通らないと言われたことがある。鼻が痛かった。鼻血が出やすい。
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「鼻を通ったカメラがのどを通って胃に入るなんて!」という抵抗感がある。
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バリウム検査を受けたことがあるが、検査後の下剤を服用した後がつらかった。
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胃がん検診で精密検査の対象になった。精密検査になると、時間も通常の倍かかるため、麻酔をかけてもらって検査を受けたい。
特徴
① 鎮静剤を使用して、内視鏡の苦痛を軽減します。
胃カメラ検査を困難にさせるのは、『オエッ』となる咽頭反射、それに伴う恐怖心や抵抗感などです。
細い胃カメラを使用することである程度は楽に受けられますが、完全には克服できません。
鎮静剤の注射を使用することにより、《半分眠った状態から完全に眠った状態》の間でコントロールして検査を行う方法です。(理想的な鎮静状態は、苦痛は取り除いたうえで、患者さんが受け答え可能な状態です)
② 経鼻内視鏡よりも経口内視鏡が適した方もいます。
経鼻内視鏡のような細い胃カメラでは、画質が制限される他、行える処置も限られます。
そのためどうしても経口内視鏡を、通常の検査よりも長い時間行わなければならない場合もあります。
経鼻内視鏡検査のご案内
鼻からできる胃カメラです。
こんな患者さんにおすすめ
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胃の症状(胃の痛み、胸やけなど)が気になり、検査を受けてみたいが、胃カメラ検査はつらいと聞いているので、恐怖心や抵抗感がある。
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以前に口からの胃カメラを受けたことがあるが、『オエッ』となって検査の間じゅう辛かった。できれば受けたくないが、検査を勧められている。
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胃がん検診の対象となっているが、どこで検査を受けていいのか分からない。できれば楽な検査の方がいい。
特徴
① 咽頭反射が起こりにくい
胃カメラの際に『オエッ』となるのは、咽頭反射と言います。のどに異物が侵入するのを防ごうとする本
来備わった反応です。この仕組みは、主に舌の付け根(舌根部)を胃カメラが通り、のどの奥の壁に触れることで生じます。
鼻からの胃カメラ「経鼻内視鏡」は、直径が約 5.5mm ととても細く、右の図のように鼻腔からのどの奥へと通って行くので、咽頭反射が起こりにくくなっています。
② 検査中に話すことができます
口から入れる内視鏡と違い、鼻から入れる内視鏡では口を動かしてお話をすることもできます。
経口挿入と経鼻挿入の違い
経口挿入
内視鏡が下のつけ根を通るため、不快や吐き気を感じやすい。
経鼻挿入
内視鏡が下のつけ根を通らず、
のどにもふれないので、不快や吐き気を感じにくい。
経鼻内視鏡検査が向かない場合もあります
経鼻内視鏡検査は経口内視鏡検査に比べ、
●画質がやや劣ります。
●行える処置が限られます。
●もともと鼻くうが狭い人や鼻血が出やすい人などは、向かない場合があります。
高性能な消化管内視鏡システム
当院ではオリンパス EVIS LUCERA ELITE (290シリーズ)を導入しています。
これまでの経鼻内視鏡は、太い経口内視鏡に比べて画質の面で劣るとされてきましたが、技術進歩によってより高画質の画像を得られるようになりました。従来の経鼻内視鏡よりも画像が明るく鮮明になり、わずかな異常も発見しやすいくなっています。
内視鏡検査のご予約・受診方法
お電話等での予約の受け付けはしていません。
一度、外来を受診していただき、医師と相談した上で、検査の予約をしていただきます。